「意味わかんね」
呟いた本音が、ストンと床に落ちていった。
宿題を終えた俺は、ベットに寝そべる。
正直、嫌われてるとは思ってなかった。
朝練前にシュート練してたら『すごい』って何回も言ってくるし、たまに目が合うし、一緒に帰ることになっても嫌とは思ってなさそうだったし。
恋愛感情はなくても、友達としては好かれていると思っていた。
……なのに、淡い期待は粉々に粉砕されてしまった。
今でも、《大嫌い》と綴られたメールを見た衝撃は忘れられない。
全身を鉄パイプか何かで思い切り強く殴られたみたいな感覚。
思い出しただけで、痛くなる。
「俺は、」
自意識過剰だったのか?
それとも、部長がストーカーとわかったあの日に、俺が気づいてないだけで何かしちまったのか?
「――好き、なのに」
いや、だからこそ、なのかもしれない。
好きだから、《大嫌い》の一言だけでこんなにも傷ついて。
あいつが何を言っても心に響かなくなって、言い訳にしか聞こえなくなってしまったのかもしれない。