《別に。あと、もうメール送ってくんな。》
送信されたメールを眺める。
「……くそっ」
小さく吐き捨てた苛立ちによって、顔が歪んでいく。
たまらなくなって、ため息をこぼした。
「なんでメール送ってくんだよ」
俺一人しかいない自分の部屋に、独り言が響く。
イライラする気持ちと何とも言えない想いが絡み合って、複雑になっていくのがわかった。
《ありがとう》なんて、いちいち送ってくんじゃねぇよ。
俺のこと、嫌いなくせに。
関わりを断とうと必死に桃葉を避けているのに、あっちから近づいてくる。
俺をからかってるつもりなのか?
俺の気持ちを知ってるとしたら、それで遊んでるつもりなのか?
……ホントは、そんなことする奴じゃないってわかっているけど。
そう考えることで冷たい態度を取れるなら、そう思い込むしかなかった。