件名:大好きな君へ





まるで、花が咲く少し前のつぼみみたいだ。


恋情を抱えている女の子は、瑞々しい輝きで満ちていて、眩しい。



「同じクラスの人?」


「ううん。……今、どこにいるかもわからないんだ」



興味津々な瑛美の質問に、首をふるふると振った。意味もなく、ストローでミルクティーをかき混ぜる。



桜は、確かに“恋する乙女”なのに、とても切なそう。



瑛美とは違う、恋の形をありありと目の当たりにした気がする。



「好き」って気持ちには、種類のようなものがあるのかな。


瑛美の想いはいつだって素直で積極的だけど、桜の想いはどこか儚くて穏やかだ。




「初恋なんだけどね、好きな人は昔引っ越しちゃって、連絡先とかもわからないの。でも、なんか、忘れられなくて」



好き“だった”人ではなく、好きな人。

そう断言した桜に、何も言うことなく、ただただ微笑んだ。



初恋、か……。


何年もの間、想い続けてきた純情が、桜の中でずっと育まれてるんだ。



恋愛への憧れが、ますます大きくなった。