件名:大好きな君へ




何の話をしてるんだろう。


瑛美は芹沢と矢崎に口うるさく何かを言っているようだ。



「おかえり、桃葉」


「桜、これどういう状況?」



私は、私に気づいた桜に説明を求めた。


桜は困ったような笑顔を向ける。



「最初はバスケ部二年でどこか行こうって話をしてたんだけど、芹沢くんと矢崎くんが提案した遊びに行く場所を瑛美が全部却下しちゃって……」



なるほど。状況が読めてきた。



「今は、芹沢くんがもういっそ学校で肝試しとかやりたいって言い出して、矢崎くんが賛成しちゃって、瑛美が『ありえない』って言ってるところだよ」


「……瑛美、大変だね」



多分、芹沢と矢崎が提案した場所はどれも、女の子は興味のない場所だったんだろうなぁ。


というか、そもそも矢崎はバスケ部じゃないでしょ。


やれやれと呆れていると、ふと瑛美の視線が私を捉えた。



「桃葉!ねぇ、助けてよー」


「ごめん、無理」



男子二人の世話がやはり大変らしいけど、私は即座に拒否。


私には手に負えません。