やだ。怖い。
腕を掴む小佐田先輩の手の力が、少し強まる。
「金井のあとをつけたのは謝るよ」
「え?」
「金井が危険な目に遭わないか心配だっただけなんだ。怖がらせようとしたつもりはない」
それじゃあ、どうして。
「嫌な思いをさせて悪かった」
小佐田先輩、どうしてですか。
「だけど」
「……放してください」
「やっぱり夜道に一人は危ないから、これからは俺が毎日送るよ」
「結構です。それより手を……」
「遠慮しないで。ずっと、一緒にいてあげる」
どうして、私が嫌がるようなことをするんですか?
手を放してくれれば、腕を掴む手の力がもう少し弱ければ、ちょっとは恐怖心がなくなると思うのに。
小佐田先輩が私を本当に想ってくれているのなら、私のことをもう少し考えて欲しいよ。



