「あれ?金井じゃん」
「……小佐田先輩」
職員室前で立ち止まっていた私に声をかけてきたのは、おそらくヌマセンに呼ばれたのであろう小佐田先輩だった。
ストーカーをしていた犯人が小佐田先輩だとわかったあの日から、極力関わらないようにしていた。
部活の時、タオルやドリンクを渡すことはあっても、あまり話さなかった。
「こうやって話すのは久し振りか」
「そう、ですね」
私はそう呟くと一礼して、小佐田先輩から離れなくちゃと思い、教室に戻ろうと歩き始めた。
けれど――。
「待って」
小佐田先輩に、横を通り過ぎようとした私の腕を掴まれてしまった。
ぞわっと鳥肌が立って、気持ち悪くなる。
「さ、触らないでください!」
「そう言わないでよ。悲しいじゃん」
細められた小佐田先輩の瞳に、はっきりと私が映る。



