件名:大好きな君へ




名簿順にテストが返されていく。


私の点数は、平均点より下だった。


平均点自体いつもより低いから、この点数だとヌマセンの愚痴をたっぷり聞かされる……。



「よっしゃ!90点!!」



ガッツポーズをして喜んでいるのは、芹沢。


クラスの最高点だった芹沢は、自慢気に点数を皆に見せていた。



「授業中寝てた奴が、よくこんな点数取れるもんだ」


「理系は得意なんで!」


「もっと真面目にしていたら、文句なしなんだがな……」


「俺、真面目っすよ~?」


「どこがだ」



芹沢とヌマセンの会話が聞こえてきて、フッと笑みをこぼす。


瑛美も同じタイミングで笑っていた。



そして、ヌマセンはテストを全て返し、テストの解説も一通り終えると、



「日直は昼休みまでに授業用ノートを集めて持ってきてくれ」



と言いながら、新しい単元に入る準備をする。


そういえば、今日の日直……私だ。


めんどくさい雑用任されちゃったなぁ。