千のいいところ、好きなところ。
いくらでも、いくつでも、言いたいけど。
永遠に言えるほど、私は千を知らない。
だけどね。
「努力家で一生懸命なところと」
これだけで十分な程の君の素敵な魅力を、知ってるよ。
もっと君を知りたい気持ちと同じくらい、知っている君の“欠片”を宝物のように想ってるんだ。
「温かくて優しいところ、かな」
私は、一年生の時から部活で千という人を知っていたけど、千自身を知ったのは最近だ。
恋に落ちた後は、あっという間で。
好きになった瞬間から、好きだとわかった瞬間まで、本当に短い時間だった。
でもその分、私にとって意味のある時間だった。
あの日、朝練が始まる少し早目に体育館に行って、シュート練習をしている千と会わなければ、私はきっと今こんなにも悩んでいない。
「好き」は、思いがけない一瞬の積み重ねなんだ。



