件名:大好きな君へ




あったかいアップルティーを一口飲み、パウンドケーキを食べる。


しっとりとしたパウンドケーキの美味しさに、桜の料理のセンスを感じた。



「どう?」


「すっごく美味しい!」


「もっと食べたいくらい」



自信のなさそうな桜に、私と瑛美は満面の笑みで絶賛した。


ちょうどいい甘さのパウンドケーキと心も体も温まるアップルティーの相性も抜群!



「桜は将来、パティシエになるの?」


「うーん、わかんない」


「えー!?こんなに才能あるんだから、なればいいのに!」


「あくまで料理は趣味だし、将来の夢のことはもっとよく考えたいから」



瑛美の何気ない質問に、桜は真剣な表情で答える。



「そういう瑛美は、将来の夢とか決まってるの?」


「誰かを支えることがしたいなとは思ってるけど、具体的には全然!桃葉は?」



桜が聞き返すと、瑛美は悩む素振りを見せずはっきりとそう言って、私を見つめた。