私たちは学校を離れ、ドーナツ専門カフェへ。
アットホームで落ち着いた感じのカフェだな。
このカフェを一目で気に入ってしまった。
店内の一番手前のテーブルに座る。
道路側のこの席からは、ガラス越しに外の景色を眺められる。
テーブルに置いてあるメニューを見る。どれも美味しそうで迷ったが、それぞれ注文内容を決めた。
私はハチミツとりんごの風味を味わえるアップルハニードーナツを、瑛美は濃厚なチョコレートソースがかかったガトーショコラ風ドーナツを、桜は自分の名前と同じ桜の塩漬けで作られたチェリーブロッサムドーナツを頼んだ。
「ねぇ、桃葉と桜は好きな人いないの?」
注文を終えて店員が去ったタイミングで、瑛美が大好きな恋バナを振ってきた。
好きな人か……。
好きな人がいたら、どんな感じなんだろう。
恋の仕方すらわからない私は、もちろん初恋も未経験。
瑛美に「初恋もまだ」なんて言ったら、からかわれそうだから言わないけど。
私だって恋したいし、青春したい!
でも、したい気持ちだけではできないことくらい知ってる。



