テスト期間だったせいで、千と関わることがないまま、一週間が過ぎた。


今日はテスト最終日。


明日の放課後から、部活が再開する。




「テスト終わったー!」


「帰りにどっか寄ってかない?」



最後の国語のテストが終わりチャイムが鳴り渡ると、グッと腕を上げて伸びをしている瑛美に私が声をかける。


午前のテストを乗り切れば、午後は自由!


そのせいか、教室内は騒がしかった。



「私の家でケーキ食べない?昨日、作ったんだけど」


「桜、余裕だね~」


「違う違う。テスト勉強の気分転換に作ったの!」


「桜のケーキ食べたいなあ」


「あたしもー!」



桜の誘いに、私と瑛美は喜び、すぐに頷いた。


桜が作る料理は本当に美味しくて、お店に出してもいいんじゃないかって思うくらい。


テスト勉強を頑張った自分へのご褒美に桜のケーキなんて、贅沢すぎる。