どうしたら、千の心に届く?
叫べばいい?間違いだということを説明すればいい?
どうしたら、昨日までの私達に戻れる?
「千、あのメールは、間違いメールなの」
千の背中に何度も何度も言葉を投げたけれど、千が足を止めることはなかった。
千が遠ざかっていくのと比例して、声が暗くか細くかすれていく。
信じてよ、千。
私は、君を嫌いになったりしないよ。
――始まりは、たった一通のメール。
それが、私と千の関係も笑顔も“当たり前”も壊してしまった。
「千……」
見えなくなった千の名前を儚げに呟くと、冷たい涙が一適静かに落ちた。
ごめんね、千。
それでも、片思いは終わらない。
君への想いは今も、切なく熱く、溢れている。