こうなったら、追ってやる!



入口から逃げようとするコタちゃんの腕を、しっかりと掴んだ。



「わああっ、離せよ!!」



ひどい…そんなこと言わなくても…。



「あー、もぉムリ…」



…へ?



コタちゃんは、ヘナヘナとその場に崩れ落ちた。



そして床に倒れる。



な、なにこれ。



「どうしたのっ!?大丈夫?」



ユサユサと揺らすけど、どうやら失神してしまったみたいだ。



そこまで、あたしのことが嫌だったなんて。



「コタちゃん、しっかりしてー…あ、れ」



---ポタッ…。



コタちゃんのシャツに、一点の染みができた。



それは漆黒の…。



なに、これ。



天井から落ちてきた?



いや…そう、じゃない。



まさか。



初めて経験した、あの感覚。



鼻の下に手をあて、確認する。



「わぁーっ」



今度は、あたしが叫ぶ番だった。