「おー…誰かと思えば。そこにいたんだ、花咲」



もちろん、コタちゃんの口からもあたしは名字呼びだ。



ぜんっぜん、気づいてなかったってことだよね。



あたし、全く存在感ナシ?



かなりショック…。



「じゃーな」



会話すら、コタちゃんのその一言であっという間に終焉を迎える。



あたしはもっと、話したいのに。



コタちゃんは、いつもそうだ。



あたしに、全く興味がない。



振られた末永さんよりも、さらに遠い場所にいる。



幼なじみなのに、友達ですらないあたしたち。



いつしか、名字で呼び合うようになり余所余所しい態度をとられる。



そんな現実。



かなり虚しい…。