「恋愛って、なんかうまくいかねーな」




「うん、ホントにそうだね」




「綾瀬のこと、誰にも言わない。芽衣ちゃんに協力するし、お互い楽しい修学旅行にしたいな」




「うん」




「あ、もーすぐ授業終わる。廊下で立ち止まってこんなに喋ってさ。俺ら、堂々とサボってんじゃんね」




「クスクス…。だね」




男の子と、こんなにゆっくり話をしたのも初めてかもしれない。




「俺の好きな子、知りたい?」




「あー…特に、興味ない」



「ひどっ!ここは秘密を共有するとこじゃねーの?」



え、そうなの?



「葉山くん、やっぱりあたし天然かもしれない」




そう言うあたしを見て、葉山くんはなにも言わず笑っていた。