「これでもう大丈夫よ。花咲さん、どんなエッチなこと考えてたの?」



応急処置をしてくれた保健の先生が、笑いながらとんでもないことを言ってくる。



「そんなんじゃありません!あたしは…」



「きっとそーいう体質だよな、俺もたまに出る。自分より周りのが動揺してるから焦る」



優しく微笑む葉山くんに、なんて言っていいのかわからない。



さっき、あんなひどい態度をとったのに。



きっとこの人はこういう人なんだろうな。



制服の肩にあたしの血が少しついてしまったのに、それについてもなにも責めない。



先生の発言に悪ノリもしないし…。



そこはかとない包容力っていうのか。



あたしには、ないモノ。