「ニヤけすぎ。ちょっとは刺激んなった?」



はい!?



ガチャッ。



「お疲れさまでーす。お降りの際は、足もとにご注意下さい」



スタッフが満面の笑みで扉を開け、大きな声であたしを束の間の夢から覚ました。



コタちゃんは、さっさと先に降りてしまう。



あたしは、スタッフに気遣われながらゴンドラを降りた。



地上へ向かい、コタちゃんは足早に歩く。



それを追う、あたし。



「待って…あたし、最初から超緊張してたってば!」



「そか」



「だって、初めてのデートだよ?それに観覧車で…距離も近いし、緊張しないわけないよ」



「うん、俺も。らしくないこと言ってみた」



まさか、コタちゃんも緊張してたの!?



「らしくないことって…」