「次は~南坂、南坂。お降りの方は右側の扉から…」



パチッ。



目を開けると、そこは電車の中だった。



あ、れ。



あたしいつの間に寝ちゃったの!?



そしてとなりには。



ドキッ!



あたしにもたれて眠るコタちゃんの顔が間近に見えた。



そうだ…さっきお昼ご飯を食べた後、電車に乗って。



ウトウトして、そのまま…。



どうしてあんな夢見たんだろ。



そーだよ、デートならもっとかわいい服着てくればよかったとか、そんなこと思ったから。



それに、結婚式とか…夢の中だとしても、夢見すぎだから。



バカだな~あたしも。



プシューッという音がして、電車の扉が開く。



そうだ、南坂って…どこ?



聞いたことない駅名だよ。



あたしたち、完全に寝過したんじゃないかな。



「コタちゃん、起きて?時計、どこに買いに行く予定だったの?」