「それでは。新郎新婦の入場です!」



ウソ、もう!?



あたし、まだ心の準備ができてないの。



このまま結婚しても、いいの?



このままコタちゃんと、一生を添い遂げられる?



生涯の愛を誓えるの?



となりには、タキシード姿のコタちゃん。



あたしは純白無垢のウェディングドレスを身にまとい…。



あれ。



これ、ドレスじゃない。



どうしてあたし、部屋着なんて着てるの?



「いつもの格好でいんじゃね?」



「やだっ、せっかくの披露宴なのに!ドレスがいいよ」



「別にいーじゃん」



「せめて、ワンピース…着替えてくる~っ」



「ドレス?やめとけ、似合わねーから」



ひどっ。



ああっ…扉が開いてしまった。



ライトに照らされたあたしたちを、みんなが見てる。



そこに流れているのは、どこかで聞いたことのある単調なメロディ。



あれ、どうしてこんなに機械的な音なの?



これじゃ、まるで…。