あたしはどうしてこんな人を好きなんだろう。



それこそ、フィアンセっていう呪縛に取り憑かれてるのかもしれない。



ホントは…きっと、好きじゃない。



「コタちゃんのバカ!」



「バカはどっちだ?親の言いなりになんて、なるなよ。あんな契約バカげてる」




言いなりになったんじゃない。



憧れ…夢、だったんだ。



コタちゃんの気持ちがあたしに向かないのを知っていても、運命をつくりあげる、その契約が心地よかった。



辛いって思ってたけど、心のどこかで信じてた。



もしかして…って。



だけど。



コタちゃんに関しては、例外はない。



なにがどうなっても、あたしのことなんてこれっぽっちも好きになんてならない。



そういう人なんだ。