そして、少し寂びそうに笑う美桜。
美桜は、強くなったなって思った。

「美桜は、強いね…私は、そんなに…」

「菜美ちゃんは、強いよ。
私は、菜美ちゃんみたいに強くないよ。」

はっきりと美桜は、そう言った。
私、全然強くないのに、今だって…

「菜美ちゃんはね、自分が知らないだけだよ!あの時だって、菜美ちゃんは私を守ってくれたでしょ?
それに、爽くんの事が好きな気持ちは誰よりも強いと思う。
爽くんだけじゃなくて、誰かを思う気持ち。
だって、私見てきたんだもん!」

「美桜…」

今だって、美桜はまだ、爽の事好きなはずなのに、私の背中を押してくれる。
いつからかな…高校に入ってからかな。
夜子や、羽奏、真守、省吾…爽。
みんなと出会ってから、美桜は、過去を振り返らずに前に進もうとしている。
やっぱり、美桜は、すごいよ。