「なんで、『狂った』なんて言い方するんですか。
神凪さんは誰よりも優しい人です」
「おや?やっぱりあいつに毒されてるじゃないか」
藤さんは微笑む。
「神凪さんに愛情を注げなかった人間も悪いはずです。
未だに神凪さんは人間を憎んでます。
妖怪だって、悪い奴ばかりじゃない」
「じゃあ、そこの峰葉は悪くないって言いたいのかい?」
『……おれは』
戸惑ったように言うけど。
「峰葉は人間の村をひとつ潰したかもしれない。
でも、峰葉を信じずに峰葉のせいにして
自分たちでがんばろうとしなかった人間たちだって、悪い」
「まるで見てきたような言い方だけど。
そこの妖怪は信用できるのかい?」
意地悪な人だ。
腹黒くて、嫌いだ。
「信用できます。
私だって、妖怪の友達はたくさんいる。
優しい妖怪だってたくさんいることを知ってるから。
………それに。
峰葉は私の親だもの」

