やっぱり。

お父さんとお母さんはあの時、
私のお家と一緒に亡くなってしまっていた。



私は3週間、行方不明になっていて、
捜索が行われていたらしかった。


『私は気付いたら山にいました、
それまでのことは覚えてないんです』

警察に少しだけ、嘘をついてしまった。


だって仕方ない。

警察の人にだって、視えないんだから。



私は、『視えない』子になるんだから。






お葬式の日。



「…………あなたが、七波ちゃん?」


知らないおばさんに話しかけられる。


「……そうです、けど…」


「よかった!あのね、私、七波ちゃんのお母さんの姉です!」

「えっ……?」


お母さんの?

最後に見た、
お母さんの恐ろしい顔を思い出す。