『ところで深月』
突然、座って話していた俺たちの後ろから声がする。
「霞月」
深月が使役『していた』妖怪だ。
深月は当主になってから、妖怪は使役するのではなく、協力してもらうことで道元家に置く、という提案をした。
当然、反対する祓い屋も少なくなかった。
けど。
「良いと思います。我々道元家も、妖怪を見下すのではなく、対等に接するべき」
という元当主、藤さまという話の分かるババアのおかげで深月が悩んでいた、
妖怪の使役問題は解決された。
『今日、あの女の横にいた妖怪たちだが………』
実はいつも霞月も(案外深月のことが大好きで)学校に付いてきている。
「どうしたの?」
深月が促すと。