「………いいよ、峰葉。

よかったよ。ちゃんと現実に心も戻ってこられて」


神凪さんは優しく笑った。




『………七波』


峰葉は私に向かって立つ。


「何?」


『………やっぱりお前に人間の世界は生きづらいんじゃないか?


俺は、10年前、お前に酷なことを言ってしまった』



「…………え」






『七波、この家に住まわせてもらえ』