「………ねえ峰葉。
どうして、私を幻だと思うの?」


広い庭に面した縁側に二人で座りながら、
峰葉に聞いてみると。


「……お前はもう、人間側の世界で生きているはずだからだ」


優しい笑顔で、峰葉はそう言った。



「峰葉は、私に会いたくなかった?」


「……会いたかったに決まっている。

でも、きっと七波はもう、俺のことなんて忘れているはずだ」


峰葉は悲しそうに、そう言った。