「峰、葉…………」


「えっ?知り合い?」


疲れきった顔の神凪さんは、
驚いた顔をする。


「………………」


間違いない。

神凪さんに抱きとめられてぐったりしている妖怪は。



忘れもしない。


真っ白なサラサラの長い髪、
今は閉じられている、空のような色の目。

高い身長で、いつも見上げてたら首が痛くなった。



10年間、探し続けた。

あなたにあった場所に、何度も通った。





そこにいるのは、


私を変えてくれた、『あの人』



10年前に私の元からいなくなった妖怪、
峰葉(ほうよう)。