すると。
「………あの狐は、バカだった」
道元さんは、
そう言ってからストッパーが外れたように。
「もっと自分に都合のいいようにやればよかったのに、わざわざわたしの為に、
足がかりを作ってくれた」
ははは、なんて笑う。
「わたしは殺せとは言ってないよ。
『子供二人が我が道元一門に入るように
邪魔なものは消せ』
と言っただけだ。
『何を』も『どうやって』も言ってない」
「………同じじゃないか」
深月くんも、
怒りで震えながら、声を絞り出す。
「………殺せって言ったようなものだ!
小さな子供の妖怪にそんなこと言いやがって!
俺たちの家族を殺したのは、
おまえだったんだ!」
深月くんはめったに声を荒げないのに、
今はものすごく怒ってる。

