葬儀が始まったとき、驚愕した。遺影の前で葬儀をとり行っているお坊さんが盤上ヒデキだったからだ。


(あの人って本当のお坊さんだったのか。)

しかも格好もお坊さんっぽい格好になっている。

僕の後ろのおばさん達が震えてるのがわかる。よほどあの暴力坊主が怖かったんだろう。

なんかさっき救急車が止まってたような気がしたけど。



その後、


「わざわざ待っといてくれて感謝する。」


「いや、大したことないです。」

いや、大したことありまくるのだ!このくそ坊主。葬儀が終わったあと話があるとかぬかしてたくせに、来たのは30分くらいあとだったのだ。


「じゃあ質問させてもらうけどいいか?」


「はい。」


「亡くなった人たちとはどんな関係だった?」


「ただ単に怖い話しをして盛り上がる友達でした。」


「なるほど、わかった。ありがとな。」


「 いえいえ。」

「...。」

「...?」

「終わりだが?」

「質問の量少なっ!」

まだ1問目だぞ?

「もっとこう...噂ビルのこととかについて聞いたりしないんですか!?」

「何だ?例のあのビルのことか?確かにあれが今回の原因だと思うが、どうせ知ってるったってお化けが出るとかその程度だろ?」

「いえ、そんな噂じゃなかったですよ?」


「どんな噂だ?」


「なんか、屋上にたどり着いたら願いが叶うとかなんとか...。」


「あっはっはっはっは!そりゃとんだ噂だな!」


「...そうですね。」


かなり皮肉っぽく告げた。


「でもな?」


「はい?」


ヒデキの声が真面目なトーンになった。


「その噂、あながち嘘じゃないかもしれないぜ?」

「...え?それってどういう...」


「じゃあな、世話んなった。またあったらなんか話してくれや。」


そう言って、ヒデキは去っていってしまった。


「...なんだったんだあの人は。」