...オレがみんなを止めていればこんなことにはならなかったんだ。

オレがあの日の学校で...言っていれば...

葬式の日は事件から1週間後だった。


一人一人の家へと参列したら、向こうの方でおばさん連中が、

「...あの子なんでしょ、仲がよかった子。何であの子だけ生きてるの?」


「ほんとよねぇ。怖いわぁ。あの子呪われてるんじゃないの?気持ち悪くて夜も眠れないわ!」


...言い返す言葉もないんだ。おかしいのは僕の方なんだろうか。やっぱり僕がダメな


バチィッ!


「っ!?」

突然、先程のおばさん連中のところから大きな音がなった。


「てメェにんなこと言われる筋合いはねぇわあほんだラァ!」


そしてものすごい怒号が


「ヒッ!ヒィィィ...」


おばさん達の悲鳴が聞こえる。


「おいガキ。そんなメソメソした顔すんなや。」

すると後ろの方で声が聞こえた。かなり重々しい声だ。

後ろを振り向くと、身長が2mもありそうな大男のお坊さんがいた。年は恐らく20~30位だろう。

その後ろでおばさんが泡を吹いて倒れている。

恐らく子のお坊さんが平手打ちをしたのだろう。でもなんで?

「さっきお前の悪口言ってたやつを黙らしたから心配すんな。」

「...。」

本当に反応に困る。

するとお坊さんがタバコを取り出しながら、

「オレは盤上ヒデキ。訳あって今回の怪事件のことを調べているものだ。お前、亡くなった人たちの友人なのか?」

「は...はい。そうですけど。」

なんなんだこの人。全く悪い人に見えない。

「葬儀が終わったあと、少しばかり聞きたいことがあるんだが、いいか?」

恐らく今回の事件のことだろうな。

「は...はい。いいですけど。」

事件のことについて話すのは、警察の人たちとさんざん話したからもう、なれてしまった。

「そうか、わかった。じゃあ後でな。」


そう言って、ヒデキさんは葬儀の場へと向かった。


なんだったんだあの人は。