「そっか…良かった。意識は戻るんだね」 「ええ、だから大丈夫よ。」 この声は乃戸香と…お母さん…? ぼんやりとする意識の中、妹とお母さんの声が聞こえた。 少しづつ目を開けると、不安そうに見守るお母さんと目が合う。 「未戸香!未戸香…大丈夫?」 「ん…お母さん……?」 ぎゅっと握られた手が次第に温かくなっていく。 すると、 「……!」 一粒の涙がお母さんの頬を伝い、あたしの手に落ちた。