梓先輩ってこんな風にいろんな女の子に触ってるのかな。 きっと勘違いしちゃう子も中にいるだろうな。 あたしは全然思ってないけど。 それよりもここは早く教室に行ったほうがいいかも。 「あの、あたしもう行き」と言いかけたところで「未戸香ちゃん?」と誰かが呼んだ。 「あっ。楓くん?」 玄関前に立ち、あたしをじっと見ていたのは楓くんだけではなかった。 「と、洸くん?」 「あれー!俺らの名前覚えてるんだ!」 ニコッと朝からキラキラスマイルを見せる洸くん。 洸くんって…ほんとに童顔。