自分で言っておきながら“いいよ”って言われると照れる。

あっ!顔赤いのバレてない!?



慌てて両手で顔を隠すけど、当の本人はまだ笑ってる。





「ねえ、ちょっと笑いすぎだよ…」

「ごめんっ、でもほんとに笑えるんだもん。」





って言って笑い続ける陽一くん。

でもまあ距離が縮んだからいっか。





「ほんとにさよなら。」

「うん、ほんとにさよなら。入学式に会いましょう♪」

「うん。」





ほんとのほんとに、お互い背を向けて歩きだす。



もう振り返らない。

きっとまた、ううん絶対入学式に会えるから。

その時までもう顔は見ない。



───神様、どうか合格してますように



心の中で祈るように願うと、未戸香は全速力で走った。