「意地悪、してます?」 少し離れたところから大きな声を出す。 「してないよ。でも、ひとつだけお願いがあるんだ。」 「お願い?なんですか?」 「桜ノ宮、お互い合格してたら──」 静まった鼓動が再び高鳴り始める。 何を言われるんだろうってドキドキで目が離せない。 「未戸香ちゃんのこと、未戸香って呼んでもいい?」 一瞬何を言われたのかわからなくなる程、頭の中が真っ白になった。 すぐに整理して呼吸を整える。 「ふふふっ」 話そうと思っても笑いが先に出て喋られない。