** 桜ノ宮高校見学当日。 周りを見渡せば初めて見る制服の人ばかり。 きっと県外からも来てるんだと思う。 と、数人の男女があたしを見ていることに気づいた。 なんで見てるんだろ。 なんか変かな。 視線を感じつつも、教師の指示に従い4階へと向かおうとしたその時、 「お姉ちゃん!」 と、どことなく妹に似た声がした。 「まさかねー。」 乃戸香がこんな所にいるわけないし。 気のせい気のせい。 「お姉ちゃん!!」 「え!?」 振り返えると玄関から元気に手を振る乃戸香がいた。