そう言うと、「そうだね」と言ってふんわりと笑った。 この前から思ってたけど、なんか同い年には見えない。 笑い方とか雰囲気がなんだか大人みたいで。 「ん?どうかした?」 「いえ、なんでもないです。」 じーっと見てたらその目に吸い込まれてしまいそうな感じ。 「あの、あたし成海未戸香って言います。」 「僕は」 「陽ー!!」 声のした方を見ると、大きく手を振りながら走ってくる女の子がいた。 「麗華。」 確かに言った。 あの子を見て“麗華”って。 胸がチクリと痛むのは気のせい…?