「この服の山は何?って聞いたの。」

「片付けようとは思ってるんだけどなかなか片付ける時間がなくて。」





いやいや最近ずっと暇そうにしてたじゃん!


片付ける時間、たくさんあったように見えてたのはあたしの気のせい?

だいたい服に押し流されるほど山にしとくってどうよ…





「そんなことよりもさ、お姉ちゃん乃戸香のリボン知らない?」

「知らないよ。いつも制服と掛けとくようにって言ってあったよね?」

「昨日はまたまた掛け忘れてたの!お姉ちゃんも一緒に探してよ!」





どこまでも世話の焼ける妹だ。

少しは自分でやる事を覚えて欲しい。





「探すったってどこを──ってあった!」





部屋の隅っこに追いやられていたリボン。



可哀想に。

こんな端っこでぽつんと置き去りにされて。