両耳にはピアス、どこからどう見ても中学生とは程遠いお姿してます。

最近だと帰りも遅くてあたしが寝る23時を過ぎても帰ってこないことも。

それどころか、夜中に遊びに出かけて朝方に帰ってくるってことだって少なくない。

心配してるあたしを他所に乃戸香はいつも笑顔であたしの前に現れる。





「高校の話してたのー。」

「志望校決めたの!?」

「まだ。桜ノ宮に見学行こうと思って。」

「え、桜ノ宮?」





───バタンッ

乃戸香の持っていたカバンが床に落ちた。





「さ、桜ノ宮ってあの有名な高校だよね!?」

「うん、そうだよ。」

「“そうだよ”って…乃戸香も桜ノ宮行く!!」