「楓、この子を玄関まで送っていってやってくれ。」 「わかりました。成海さん、こっちだよ。」 「あ、はい。…あの、いろいろありがとうございました。」 残った男子達に頭を下げ、未戸香は黒髪男子を追って走った。 「“ありがとう”か。」 「遥の言う通りあの子、ほんとに無知だったんだね。」 「そうだな。」