「楓〜邪魔すんなよな。今おもしかったのにー。」
「女の子をいじめたりしちゃダメでしょ。」
『楓』と呼ばれた黒髪男子はあたしに手を差し出してくる。
その優しそうな笑顔に釣られて手を掴もうとするけど怖くて戻す。
「大丈夫、怖くないよ。」
強ばるあたしに、黒髪男子は1歩近づきまた手を出してくる。
少し躊躇しながらも未戸香は彼の手を掴んだ。
「怪我とかない?」
「…はぃ。」
「いや待て楓。俺はそこまでやってないぞ。」
「どうだか。洸の言葉は信用ならないね。特に女の子に対することは全く信用なんないから。」
「はあ〜?楓、お前酷いな。」
