放課後、半ば強引に連れてこられたのはTVでも有名なケーキ屋。
中に入ると甘いメープルの匂いが鼻をかすめた。
「未戸香ちゃんどれがいい?今日は私の奢り♪」
「え!そんな悪いですよ!」
「無理に誘っちゃたんだもん、奢らせてよ。」
そこまで言われると断るのも失礼。
素直に奢ってもらうことにした。
頼んだのはイチゴのショートケーキ。
麗華さんはチョコケーキ。
「ちょっと以外です。」
「なにが?」
「麗華さんがチョコケーキを選んだの。どっちかって言うと苺とかフルーツ系のケーキを選ぶのかと思ってました。」
「チョコ大好きなの。苺よりもね。」
その後も麗華さんはチョコケーキを3つたいらげた。
その体のどこに4つも入るの?!
恐ろしい…。
「未戸香ちゃん、今好きな人いたりする??」
「好きな人、ですか?」
持っていたフォークを置き、真剣な表情であたしを見る。
あたしは…
ちらつくのは陽一くんの顔。
違う違う!
陽一くんはただの…ただの友達、でいいんだよね。
