1時限目は物理、2時限目は古典、3時限目は数学。

そして4時限目の地理・歴史であれは起きた。



静かな教室のなかで用紙に記入するシャーペンの音だけが響く。

とその時、





「成海未戸香。」





低い声で男教師が未戸香を呼ぶ。

呼ばれた未戸香は横にいた教師を見上げると、怒りの表情で未戸香を見ていた。





「…なんですか?」

「これはなんだ。」





と言った教師が未戸香の机の中から一枚の紙切れを取りだす。

そこにはびっしりとテストの答えが書かれていた。





「そ、そんな!あたし知りません!!」





クラスの注目は一気に未戸香に向き、陽一も洸も2人を交互に見る。





「お前の字に見えるのは俺の錯覚か?」





乱暴に紙切れを未戸香に突きつける教師。


確かに…あたしの字そっくり。

だけどあたしは書いてない!!





「違います。あたしのじゃありません。」

「証拠がありながら嘘をつくな!どう見てもお前の字だろ!」

「だからあたしじゃ」

「出て行け。お前のような人間、クラスにいられると迷惑だ。」





冷たい目で見下ろす先生。

周りも「最低」と言わんばかりの目であたしを見ている。



あたしじゃないのに…。

絶対違うのに…。