テスト当日。

いつもは先に行く乃戸香、今日は珍しく未戸香と家を出た。





「お姉ちゃんテストいけそー?」

「うん、ばっちり。全教科100点は無理でも古典と数学はいけそうだよ。」

「そっかあ!頑張ってね。」





見慣れた笑顔に乃戸香は頷く。

隠された秘密があるのことも知らずに。




学校に行くと、空元気な美穂と陽一くんの横で抜け殻のように脱力した洸くんが床に座り込んでいた。





「洸くん…?大丈夫?」

「ん…」

「洸くん!!美穂!!」





力尽き落胆する美穂と白目全開の洸。

2人は肩を並べるように目を瞑った。





「ここで寝たらダメでしょ。」





どこからともなく現れた楓くんが2人に冷静なツッコミを入れる。



2人してどれだけ勉強嫌いなんだか。

これじゃ全教科0点選手権No.1とNo.2取れちゃうよ。





「うるせー!楓は余裕で満点だろ。それに比べて俺らは…」

「勉強しないからでしょ。」

「うるさーーい!楓のバカー!!」