「未戸香?生きてる?」

「う、うん、なんとか…」





頭をブルブルと振って陽一を見る。





「嫌ならやらなくてもいいんだよ。決めるのは未戸香ちゃんだから。」





ふんわりとした笑顔で言う。



“決めるのは自分次第”

あたしが答えを出さなきゃいけないんだよね



姫って、いまいち何するのかわかんないけど、





「姫はあたしじゃなくちゃいけないんですか?」

「できればお前にやってもらいたい。」





あたしが姫になって何が変わるかわかんないけど、





「あたし、正直、姫とか黒蝶とか言われてもよくわかりません。普通に生活してきて不良なんて言葉も聞いたことなかったですし。今朝見たみたいに喧嘩は日常茶飯事なんですよね?」

「それは、まあ不良だからな。」

「血を流した人なんて見たくありません。喧嘩もしないで欲しいです。できる事なら平和で行きたいです。でも…」





私にできる事があるなら、それはやりたいと思う。





「でも、みなさんがあたしを必要としてくれているなら話は別です。

喧嘩は嫌だけど、みなさんが必要にしてくれているならあたしは…あたしは姫になります。」