「この学校には代々“黒蝶”と言われるグループが存在してな、俺は11代黒蝶トップの山口遥。そして梓は副リーダーだった。けど3年になった俺らは黒蝶を後輩に譲ったんだ。

12代黒蝶は陽一をトップにして洸、楓、美穂を幹部に持つ総勢110人の大所帯になった。」

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「ん?なんだ?」

「12代黒蝶のトップって陽一くんなんですか?」

「ああ、そうだ。」





どうりで喧嘩強かったわけだ、納得納得

美穂も幹部だなんてすごい


…あ、思いだした!

確かこの学校には不良がいるって中学の友達が言ってたっけ

そうだ、先輩を初めて見つけた時も不良がどうこう言ってたもん

黒蝶とか不良グループなんてアニメの世界の話だと思ってた



現実離れした話に少し驚きながらもなんとか話についていくあたし。



そして話はあたしを連れて来た理由にはいった。





「でだな、黒蝶に限らずどの不良グループにも存在するのが『姫』。」

「姫?」

「名前の通りグループの中では大切にされる存在だ。簡単に言えばマスコットみたいなもんだな。」

「マスコット…。それとあたしに何の関係が?」

「率直に言う。お前に姫になってもらいたい。」

「はぁ、そうなん…ええ!!」





何を言うかと思えば、あたしが黒蝶12代目のお姫様に!?



目を丸くしてポカンと口が開いてる未戸香に美穂が手をかざす。