中米に浮かぶ、とある小さな島。

「走れ走れ!」

HU-16水陸両用飛行艇のコクピットから、ウルフカットに無精髭の男、ヒュー・バレンタインが叫ぶ。

島の桟橋を走るのは、傭兵チーム『Disposable』のリーダー、バニング・ロスとサブリーダーのハル・グランベリー。

彼らは傭兵ヘッドハンティング兼斡旋業の男からの仕事を受けて、この島にやってきていた。

この島は、アメリカ、中米で暗躍するギャング集団の縄張りだ。

『マラ・サルヴァトルチャ MS-13』

80年代、エルサルバドルの内戦後、南カリフォルニアに逃げてきた移民達が基盤になっている。

メキシコのカルテルに雇われた用心棒として有名となり、そのうち目的の為に残虐な暴力を使う事を厭わず、独自で勢力を広げるようになった。

FBIがMS-13専門の特殊部隊を設定した事からも、その勢力と凶暴さが窺える。