「なんで入学式の日なの……?」


あたしとリンちゃんは1年生の頃から同じクラスだったけれど、千鶴や有紀たちは別のクラスだった。


リンちゃんはクラス内でも人気者で、イジメの対象になるようなこともなかった。


でも、その時の事を《リプレイ》させられるということは、何かリンちゃんの死に関係する事が起こっていたからなんだろう。


そんなにも、前から……。


「あたし、入学式の日にリンちゃんに初めて話しかけたの。すごく綺麗な子だなって思って」


あたしは入学式の日を思い出しながらそう言った。


「ごめん、奏」


「え?」


続の言葉にあたしはキョトンとする。


「入学式の日に奏に話しかけられたのは……俺だ」


「なに……言ってるの?」


あたしが話しかけたのは間違いなくリンちゃんだ。


男子と女子を間違えたりなんかしない。


「リンは、俺の双子の妹なんだ」


続が、少し顔をゆがめ、しかしほほ笑んでそう言った。


一瞬あたしの時間が止まった。