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お金もあって、すべての事実を知っている人物。


それに該当する人物は、千鶴の父親しかいなかった。


千鶴はリンちゃんが死んでしまったこと、自分が中心となってイジメていたこをすべて父親に話し、そして自殺という事にでっち上げてもらった。


父親だけは自分を裏切らない。


なんでも許してくれる。


昔からそうして来てくれたように……。


それが、裏目に出たのだ。


千鶴はやりすぎた。


人間1人の命を奪っておいて許す親なんていない。


千鶴がイジメをしていたことが公になっても、大した罪には問われないだろう。


だから、あえて千鶴の申し出を受け、《リプレイ》という形で罪を償わせることにしたのではないだろうか。


きっと、千鶴も同じ考えをしていたのだろう。


「あたしがここで死ねば、《リプレイ》は終わるかもしれない」


震えながらも千鶴はそう言ったのだ。


「ううん。きっと、あたしも死ぬ。この中でリンちゃんの死に全く加担していないのは、続だけだもん」


そう言って、あたしは疑問を覚えた。