☆☆☆

つい数か月前まで行われていた陰湿なイジメを思い出し、あたしは涙を流していた。


今こうして罰を付けられて死ぬと言う事が、あまりにも自分に当てはまりすぎていて、悲しくなった。


「千鶴。昼休みに信一と真が喧嘩をしていたのはどうして?」


あたしはそう聞いた。


千鶴は青い顔をしたまま、ゆっくりと口を開く。


「リンの事で……」


その言葉にあたしは頷いた。


やっぱり、そうだと思っていた。


千鶴の事が好きなあの2人が、リンちゃんイジメを加担していないはずがない。


「あの2人はリンちゃんに何をしたの?」


そう聞くと、千鶴は頭を抱えて身を縮め「言いたくない!」と叫んだ。


「千鶴、あんたが指示を出したんでしょう!?」


「自分だけ逃げれると思うなよ」


続が千鶴を見下ろしてそう言った。


あたしたちがリンちゃんにしてきた事を知って、続は今どんな気持ちでいるんだろう?


きっと、幻滅しているんだろうな。


あたしのことも、もう好きじゃないかもしれない。


そう思うと少しだけ胸が痛んだが、あたしなんかが誰かに好かれる事自体おこがましいのだ。


あたしはやってはいけないことをしてしまった。


脅されても屈しない心を持っていればよかったのに、あたしにはそれがなかった。


それは、千鶴と同じ罪になる。


言い訳なんて、許されない事だ。