表だって何かを手伝うことはなかったけれど、それでもイジメに加担しているというストレスは十分感じていた。


そして、何匹犬や猫を殺してもその事件自体が噂にもならない事から、千鶴の親がどれほどの権力者なのかと身に染みて理解できるようになっていた。


千鶴に逆らう事は許されない。


逆らえば、あの犬や猫のようになってしまう。


だんだんとそんな考えになってきていた。


逆に、千鶴の言う通りに動いていれば有名な会社のチョコレートを食べさせてもらえたり、


手に入らないと言われている映画のチケットを譲ってもらえることもできた。


今思えば、それはただあたしたちを利用するための獲ずけだったに過ぎないが、その時のあたしはそんな事を考える余裕もなかった。


気が付けば、あたしと有紀は完全に千鶴の仲間になっていたのだった……。